最新の技術はイメージが先行し、ユーザーの期待値が必要以上に高まりがちです。そして期待が膨らみ過ぎた結果、実物のユーザビリティとの差を感じ、一方的に幻滅してしまうのです。最新技術は、実用性が高まるまで世の中に出さないほうがよいのでしょうか?本記事では、技術革新と直面する満足度とのジレンマについて、最新の調査を踏まえ考察していきます。
技術革新の先陣を切る企業の宿命
現在では「自動運転車」や「EV」の代名詞となりつつあるテスラ社ですが、初期モデルについては様々な憶測を呼びました。実際「屋根が吹っ飛んだ」「ドアの開閉トラブル」「火災」など実際購入した人の声が次々と話題になりました。誰かが事故を起こした際も、「自動運転に不備があったのではないか」という疑念の声が上がりました。ではこれらのニュースは、既存のガソリン車を作っているメーカーで同じ声が上がっても、話題になったのでしょうか?もちろん、車の屋根が飛ぶほどのショッキングなものであればニュースになったかもしれません。しかし、EVや自動運転という未来の車像を牽引しているテスラ社だからこそ、些細な事まで揶揄されてしまった側面もあったはずです。
技術革新を進めていく際には、技術だけが目新しいものであっても受け入れられません。ユーザーが実際に使ってみて、その「使い心地」が重要になります。そのためには、開発途中であったとしても、安全性に問題ない限りユーザーに実際に触れてもらい、フィードバックをもらう必要があるのです。
2022年・米国Tech Experience Index(TXI)調査結果
J.D. パワーが2022年8月25日に発表した「2022年・米国技術体験指数(TXI)調査」によると、自動車に先進技術を搭載することは、問題の急増につながる可能性あることが明らかになりました。調査の対象となった先進技術のうち、46%が年間の初期品質調査(IQS)で最も問題があると評される属性よりも高い「PP100」を少なくとも1つ持ち、中にはそれを数倍も上回るものもあったと言われます。
※PP100は低ければ低いほど品質が良いという評価になる
テスラやポールスターなどの車業界へのハイテク企業の参入は、イノベーションの必要性を際立たせています。新型車の技術は購入の主な理由となるため、そこにイノベーションは必要不可欠なのです。ある車両で技術が効果的に実行されると、その技術が搭載された別の車両を購入するというオーナーの意思決定にプラスの影響を与えます。そしてさらに、新しいテクノロジーの体験が期待を満たすものであれば、そのユーザーは体験を友人に伝え、口コミで評価が広がっていきます。これが本当のブランドのファンを作り出すのです。
新規オンカジにおける技術革新
オンラインエンターテイメントの世界でも、このような技術革新への挑戦が行われています。特に新規オンカジでは、「ライブディーラー」の登場により店舗型カジノのような臨場感のあるカジノプレイができるようになりました。また、「VR(拡張現実)」の採用により対戦相手の反応を見ることができるようになったり、カスタマーサービスの充実にもつながっています。さらに「暗号通貨、ブロックチェーン」の採用により、少額の手数料で入出金を実現したり、セキュリティ制を高めたりすることに成功しています。他にも最近では、AmazonのAlexa、Google homeなどの音声端末も、ユーザーの声を聞きながら開発を続ける好例となっています。
どの業界でも技術革新と向き合っていく必要がある
このように、既存の業界も少しずつ新しいテクノロジーを取り入れ、ユーザーエクスペリエンスを高めようとしています。業界が古い体質が進めづらい、取り入れた技術に対する指摘をリスクと感じるなど不安も伴いますが、いつの時代もそれを乗り越えた先に成功が待っているものです。小さなものからでも新しいことに挑戦し、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返す思考を取り入れてみてください。
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