安倍晋三首相は5日夕、東京都内で開かれた時事通信社など主催の新年互礼会であいさつし、衆院解散・総選挙について「今年は全く考えていないと、はっきり申し上げておきたい」と明言した。だが、首相に近い政府筋は同日夜、取材に対し「首相から『今年ではなく、今月の言い間違いだった』と聞いた」と述べ、軌道修正した。
互礼会での首相発言は、2017年中の解散を打ち消したと受け取れるものだったが、修正したことにより、解散時期をめぐって臆測を呼びそうだ。
首相は互礼会で、酉(とり)年の1969、93、2005各年に実施された衆院選に触れ、「酉年は世の中が大きく変わっていく可能性を秘めた年」と指摘しつつも、「36年前(81年)は選挙をやっていない。酉年であれば必ず総選挙というわけではない」と語った。
また、祖父の岸信介氏が首相に就任し、衆院選のなかった酉年の57年について「社会保障制度の礎、日米同盟、安全保障政策の礎が築かれた年だった」と紹介。その上で「今年は礎を築きつつ、新しいことに挑んでいく年にしたい」と強調した。
重要課題と位置付ける働き方改革に関しては「最大の壁の一つ。国民の理解を得ながらしっかりと挑戦を果たしたい」と実現に意欲を示した。
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