連日蒸し暑い日が続いています。暑い季節に重宝する「何度も充電して使えるタイプの携帯用扇風機」について、製品の安全性を調査しているNITE=製品評価技術基盤機構が「危険な使い方をしないよう」注意を呼び掛けています。
最近は手に持つタイプだけでなく首にかけるものもある携帯用扇風機ですが、まず大事なのは「衝撃を与えない」ことです。かばんから取り出そうとして、ついコンクリートの上に落としたことがある人も多いかもしれませんが、落とした衝撃で扇風機の中に入っているリチウムイオンバッテリーが変形し、内部でショートを起こすことがあります。そして、そのまま使い続けると突然、煙や炎が噴き出す恐れもあるということです。NITEが行った実験映像には、強い衝撃が加わった扇風機を使っていて、突然破裂してしまう様子が写っています。細かい破片も飛び散り、相当危険です。これを防ぐためには、落とした後は異常がないか確認をしてください。落とす以外にも、ペットがかみついたり水没させたりした場合でも内部でショートする恐れがあります。大丈夫かなと不安を感じたら、製造業者や輸入業者、販売元に連絡してください。
また、リチウムイオンバッテリーを使用しているため、一般ごみと一緒に捨ててはいけません。そのまま不燃ごみとして出してしまい、ごみ収集車の中で火災が起きるケースも発生しています。NITEが行った実験映像では、バッテリーに強い圧力がかかると激しい炎が発生しています。扇風機をお尻のポケットに入れたまま座るのも、強い圧力がかかってしまう恐れがあるため注意が必要です。捨てる時は、電池メーカーなどが設立した一般社団法人JBRCのリサイクル協力店になっている電器店、ホームセンター、スーパーなどの回収拠点を利用しましょう。処分方法に迷ったら住んでいる自治体に相談し、指示を受けてください。
モバイルバッテリーの製品が増える中、リチウムイオン電池が原因の火災は増加しています。東京消防庁管内では2020年の1年間で105件の火災が発生していて、22人がけがをしています。事故件数は5年連続で上昇しています。他にも、充電用のコネクターに液体やごみが付いていると発熱や発火の原因になります。また、炎天下に自動車のダッシュボードに放置していると、自然発火することもあるので十分注意が必要です。
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